私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
私は思わずごくっと喉をならした。
続きを待つ。
「瑠依さん。
エリカと───別れて欲しいの」
そんな切なそうな顔をして、しかしその言葉は私を奈落へ落とすには十分だった。
何を、言ったら良いのか分からない…。
ただあるのは、『嫌だ』と願う感情ばかりで。
「…あなたとエリカのことは、雪村から聞いてるわ。あなたがどれだけエリカを大切に思っているかも、エリカが誰よりもあなたを必要としているかも、分かっているつもりよ。
でもね…、あなた達は近すぎるわ」
「…近すぎる…?」
そんなこと、前にも聞いた気がする。
私たちはお互いがお互いに寄りかかって、依存しているって。
(──あなたに何が分かる!!)
そう叫んで、全てを壊したい衝動に駆られた。
爪が手に食い込み、血が出るのではと思うくらい強く拳を握りしめた私を、やはり学園長は悲しそうに見つめた。