私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
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「瑠依!!おばあ様に呼び出されたんですって!?一体──……どうしたの?」


エリカに会いたい訳ではなかった、むしろ会いたくなかったのに、私は無意識にエリカの部屋の戸を叩いていた。


エリカは私を心配そうに引き寄せ、ソファに座らせる。



「どうしたの?紅茶、いる?」

「いらない……」


あなた以外、何も──…。



「ねぇ、一体どうしたのよ。何を言われたの?」



私は無言でエリカの揺れる瞳を見つめる。

吸い込まれそうに深い色に、一瞬決意を翻しそうになった。




(駄目…。さぁ、言わないと。エリカのしあわせの為だよ──)





「──エリカ」

「…なあに?」








「私たち、もう会わないようにしよう」










「───え…?何を、言ってるの…。別れないって言ってたの、あなたじゃ……」



エリカはそう言ってたちの悪い冗談だと笑い飛ばそうとしたけど、私のあまりにも真剣な顔を見て固まった。



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