私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
気が付いたら、涙まで流れていた。
流れ始めたら、後から後から溢れてくる。
(わたし………)
自分ではどうしようもない感情。
私は涙を拭こうとハンカチを取り出した。
その時───窓の外にふと目に止まった人がいる。
「奈緒先輩………」
他の誰でもない、永岡 奈緒その人が、1人中庭を歩いている。
ドクン────
数日会わなかっただけなのに、私の胸は張り裂けんばかりに高鳴った。
(あぁ……………)
遠目から見ただけなのに、はっきりと分かる。
今気が付いた。
私───
奈緒先輩のことが、
好きなんだ………───