私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
私は涙を乱暴に拭った。
奈緒先輩はもう居ない。
正直、初めて抱く感情に、すごく戸惑う。
でも、止められない。
止めたら私が私でなくなってしまうような……
私はセーラー服をぎゅっと握りしめた。
奈緒先輩は女で、
私も女で、
普通あり得ないだろとか、そんなこと不思議と気にならなかった。
ただ、今も私の心を締め付けるこの想いを大事にしたい───そう思った。
私は回れ右をして、教室へ戻る。
今までとは違って、晴れ晴れとした気分。
今日は、薔薇園へ行ってみよう──。
奈緒先輩、心配してるかな?
……してくれていると、嬉しい。
たとえ想いが通じ無くても、せめてお側に、居させて下さい………。