私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
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ある晴れた午後。
私はいつも通り薔薇園に行き、ほんの僅かな時間を奈緒先輩と過ごす。


こうして二人で話をしていると、奈緒先輩が言ったように、私たち二人はよく似ていると思った。


奈緒先輩は、演劇部のトップスターだけど、好きでそうなったんじゃないってこと。
だから奈緒先輩は、いつも迷子みたいにさ迷っていて、居場所を探している。


直接聞いたわけじゃないけど、多分そうだ。



だって…、私にはよく分かる孤独を抱えているから。


私になら、理解してあげられる。




なんの根拠もなく、そんな自負が生まれた。








「そう言えば、奈緒先輩って静架先輩と仲がいいんですね」


なんの気なしに言ってみた…………つもり。

だけど実際は気になって仕方がなかった。


度々校内で仲良さげに談笑する姿をお見かけする。


その都度私の中の醜い嫉妬がふつふつ燃え上がって、自分でも嫌になるのだ。



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