私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「あぁ……まぁ、同じ演劇部だしね。よく一緒に行動するけど」
……?
なんとなく奈緒先輩が落ち着かないようなのは、気のせい…?
「でも大変ですよね、お二人ともトップスターだから。ファンも沢山いるし」
「うん。まぁもう慣れたけどね。───そうだ」
奈緒先輩はおもむろにスカートのポケットを探り始める。
「?」
なんだろう?と待っていると、奈緒先輩はにこにこしながら私に紙を手渡した。
「これ、演劇祭のチケット。まだ公演は先だけど良かったら見に来て」
「えっ── 良いんですか?私が…」
「うん、ちぃちゃんには見てほしい」
ずきゅん。
もぅ…奈緒先輩ってば、そう言う台詞は誤解しちゃいますよ……。
奈緒先輩にはそうゆう気持ちが微塵も無いのはわかってる。
「ありがとうございます…」
でも少しくらい、舞い上がっても良いよね…?