私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
私は奈緒先輩からチケットをしっかり受け取って、教室へ戻った。
今なら苦手な化学だって出来そうな気がする!
みんなに自慢したくなりそうなのを必死に抑えながら、次の授業の準備をした。
奈緒先輩と出逢ってから、私の高校生活は予想以上に楽しくなった。
ものごとを斜めに見てしまうあまのじゃくの性格も、ずいぶん丸くなったと思う。
初めは憂鬱で仕方がなかった白女での学校生活。
奈緒先輩が居たから──その存在に癒されたから、今の私がいる。
(奈緒先輩…大好き。)
そっと心うちに呟いてみる。
「千雪っ 早くしなきゃ化学におくれちゃうよ!」
美優ちゃんが呼ぶ。
私は光の方へ駆け出した。