私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
さっきの、あの顔──
それが私の心をたまらなくざわつかせる。
(何、何なの──?)
私は必死に、揺れ動く嫉妬心を抑えながら、1つの可能性に気付き初めていた。
───奈緒先輩は、静架先輩のことが、好き……?
───!!
思った瞬間、私の心が暴れだす。
でも、だって、まさか、
あらゆる否定語を出してみても、その可能性は消えない。
「千雪………?」
美優ちゃんは心配そうに私の顔を覗きこむ。
あぁ……私は今どんな顔をしているのだろう?
「…何でもないよ、行こう?」
無理に笑って、足を進める。
美優ちゃんは了解したように無言で付いてきた。
私はこの空気を変えようと、必死で話題を出した。
どうかこの可能性が0でありますように、と願いながら。