私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「奈緒先輩は、どうしていつも此処にいるんでしょうか……?」
口をついて出た質問。
第三者である静架先輩が、知っている訳無いのに。
「……奈緒はね、初等部から白百合の生徒で、やっぱり演劇部員だったの」
そんなこと、知っている。
不快な競争心が反抗した。
「私は高校からの外部生でね、奈緒とは同じクラスの隣の席。私はどうしたら良いか分からなかったから、奈緒に案内とかしてもらおうと思ったのよ」
懐かしそうに静架先輩が語る。
「それなのにね、奈緒ったら、心底嫌そうな顔をして、無言で取り巻きに案内役を押し付けたのよ!信じられる?失礼にもほどがあるわ!」
言いながらも、静架先輩は楽しそうだった。
私は無言で先を促す。
「私は腹がたったもんだから、意地でも案内してもらおうと思ってね。何日もしつこく付きまとって、ついには案内させたのよ!」
「えっ?!」
なんていうしつこさ……もとい、忍耐力。
私ならそこまで出来ない。