私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「──ゆき、千雪」
「っ!! な…なに?」
「なにって……もう放課後よ?」
私は辺りを見回した。
既に生徒はまばらになっている。
どうやらHRは終わってしまったようだ。
「あ……私ったら、ごめん、美優ちゃん」
「………」
美優ちゃんは怒っているのか、眉間に皺を寄せている。
私は無理矢理笑顔を作って「部活行かないの?」と尋ねた。
…昼の、ことが、まだ胸に突き刺さっている。
私がどうこう出来る問題じゃないから、尚更やるせない。
………再び、心を閉ざした意識の深みに填まろうとしていた……。
「───千雪っ!!」
私はビクッと動いた。
目の前には今まで見たことが無いような、辛い表情を浮かべた、美優ちゃん。
どうして貴女がそんな顔をするの──?
泣きたいのはこっちなのに…。