私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~



「そっか……やっぱり、そんな気はしてたんだ」

「えっ そうなの?!」

「だって千雪分かりやすいんだもん」


悪戯っぽく美優ちゃんが笑う。




「──それで、千雪はどうしたいの?」

急に真顔になった美優ちゃんが聞いてきた。

───どうしたい?



「そんなの、分かんない………」



私は奈緒先輩が好きで、奈緒先輩は静架先輩が好きで───


「だから、まだ好きって確証は無いんでしょう?」

「え? でも、それくらい分かるよ……奈緒先輩のこと、見てたんだもん……」

「でも本人の口から聞いてないじゃない。これはまだ、あくまで可能性なの。
百歩譲って事実だとしても、千雪はそれでいいわけ?」


「そんな………」


いいわけ、無いじゃない。


やっと気付いたばかりなのに。


側にいられるだけで、幸せなのに。





「それじゃ、正面からぶつかって見なよ。今とは言わないから、千雪の覚悟が固まったら」



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