私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~



「そ……」

そんな………。

だって、限りなく不可能な願いなのに。


美優ちゃんたらさらっと言ってくれるんだから。



「ま、当事者じゃない私が言っても駄目かもね。千雪の問題だし、千雪が決めなよ。…愚痴とか相談なら、いつでも頼って」

「うん、ありがとう…」



美優ちゃんはいひひ、と宝物を見つけた子供みたいに笑った。


「あぁ-っ すっきりした!千雪ったら中々白状しないんだもん」

「ごめん…言ったら嫌われそうで…」

「んも-!何ヵ月あんたと一緒にいると思ってんのよ!」

「いたっ 美優ちゃん、ごめんて───」



私たちはじゃれあいながら、温室を後にした。





これからのことは、分からない。



それでも、美優ちゃんのおかげで私の心が軽くなったのは事実なのだ。




───大丈夫。



まだ、がんばれるよ……



< 45 / 238 >

この作品をシェア

pagetop