私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~



私は呆然と立ち尽くした。


さっき起こったことを整理しようと、脳がフル回転している。





そして一つ、変えようのない事実が浮かび上がる。




そんなの、考え無くったってわかっていたのに。




──奈緒先輩が、誰を好きかなんて。








当の奈緒先輩は、放心状態から抜け出し、今度は悲しみと後悔に打ちひしがれているようだった。





今すぐ、抱きしめて、慰めてあげたい。





でも、そんなの奈緒先輩のプライドも私自身の気持ちも傷つけて終わるだけ。




奈緒先輩が慰めを欲している相手は私ではなく、静架先輩で。

私だって失恋にくるしんでいて。







黙って立ち去るしか、残される道は無い。





そして二度と、此処へは来てはいけないんだ。






奈緒先輩と、静架先輩の、二人だけの世界だから──。



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