私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「おはよっ千雪!」
「おはよう、美優ちゃん」
私に元気に声を掛けてきたのは、クラスメイトの美優ちゃん。
席が隣同士だから、自然に仲良くなった。
今日は体育何をするのかしら とか クラスメイトのだれそれが可愛いストラップを付けていたとか、他愛ない話をして校門を過ぎて行く。
その時。
『キャア-------ッ!!!』
何かが裂けたような、甲高い悲鳴。
私は思わず耳を手で覆った。
「な、何…?」
「あぁ、また奈緒様でしょ。全く、毎日毎日元気だな-。」
美優ちゃんはこの悲鳴の理由が分かっているみたい。
それにしても…まだきゃあきゃあ聞こえる…。
「あの…奈緒様、って誰?」
「あれっ 千雪知らなかったっけ?
ほら、あの群衆の中に一際高い人が居るでしょ。あの人が永岡 奈緒様って言って、演劇部のスターなの。
男役が凄く似合うから、皆から王子様って言われてるよ。」
聞いたことない?と美優ちゃんが私の顔を覗き込む。