私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「で、千雪は行くの?行かないの?」
「え!?私は……」
「辛いかもしれないけどさ、行きなよ。せっかくプレミアものの最前列チケットもらったんだし。行かなきゃ損だよ」
「う-ん……」
正直、今二人の共演は見たくない。
最前列なら尚更。
でも………
『ちぃちゃんには、見てほしい』
奈緒先輩の言葉には、嘘や社交辞令なんてものは無い。
それにやっぱり、奈緒先輩の晴れ姿が見たい…。
「美優ちゃん」
「ん?」
「私、ちゃんとけじめをつけてくる」
はっきりそう言うと、美優ちゃんはにこっと笑って言った。
「頑張っておいで」
その一言があれば、なんだってできそうな気がした。