私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「お疲れさま-!!」
「はい、お疲れ-!」
成功を収めた喜びと達成感に沸き上がる演劇部。
部員もまばらに散ったあと、私は一人、永岡 奈緒 と書かれた控え室の前に立っていた。
何度も親衛隊らしき生徒たちに怪しまれ、追い出されたけれど、私は諦めなかった。
会って言いたいことがある。
今すぐ、伝えたいんだ──。
「はいまた明日ね-!」
また一人、部員が奈緒先輩の控え室から出てきた。
打ち上げでもしているのだろうか。
「─っと。それじゃあ私も帰るわ。お疲れ-!」
「!」
瞬時、私は身を固くした。
先ほど舞台上で聴いたばかりの、透き通る声。
「ん?あれ、ちぃちゃん?」
その人はすぐ私に気付き、顔をほころばせた。
私は胸がきゅんとなるのを隠せない。