私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
どうやってこのかったるい役目から逃れようかと悶々としていると、担任からトドメの一撃。
「西宮さんも、学園のアイドルから案内されたら嬉しいと思うし?」
───どいつもこいつも!!
反抗する気力も失った私は、そのまま机に突っ伏した。
それを了解の意と捉えたのか、担任は「それじゃ決定ね!」とさくさく説明を終わらせていく。
私はちょっとだけ顔を上げて、お隣さん─西宮静架の様子を伺う。
きっとこの異常な乙女の園に戸惑っていることだろう。
まぁ私の知ったことでは無いけど。
しかし予想に反して、西宮静架は戸惑ってもいないし、不安そうな様子も見せない。
むしろ凛としていて、これから始まる高校生活を心待ちにしているよう。
(…変なヤツ)
私とは正反対の考えを持つ、それが西宮静架だった。