私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「良い?」
「もちろん!奈緒様のお頼みであれば!!」
機嫌良く宣言する生徒に笑い掛け、静架の方に向き直る。
「彼女に案内してもらって」
ずばっと言い放って、静架の反応を待つ。
あぁ、なんて底意地の悪い私。
「…ふざけないで。」
俯いた静架から発せられた低い声音に、私はぴた、と笑いを凍り付かせる。
「何なの?その態度。私を馬鹿にしてるわけ?」
徐々に顔を上げながら、全身で怒りを表し始めた静架に、私はむしろ興味を覚えた。
私に面と向かって非難出来るのは、今のところ一人しかいない。
彼女は尚もまくし立てた。
「暇じゃないなら、良いわ。でもはっきり言いなさいよ!その辺の子連れてきて任せる?失礼にも程があるわ!!」
「…それじゃ、暇じゃない。彼女に代理を頼んだから、案内してもらって」
さすがにここまで言われて黙っている私でも無いので、静架から目を逸らして、いかにも面倒臭げに答えた。