私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
その日は1日、何も起こらずにゆったりと過ぎていった。
もとよりこの生粋のお嬢様学校では、変化など望めない。
刺激を求めるのは、この文句の付けようがない学校生活に満足してないからなんだろうな…、と思う。
なんて余裕をかましつつ…
私は迷子になっていた。
「ここ……なに??」
私が居るのは…一言で言えば、迷路。
学校に迷路とかおかしいよね、とか思っても、やっぱり迷路としか考えられない。
入り組んだ高い生垣。
八方に伸びる行く手。
おまけに来た道も分からない。
これは完全に……迷子、だよね。
とりあえずずっと右に右に進んで行く。
確か右に校舎があった…はず。
生垣に引っ掛かりながら、がむしゃらに進んで行く。
そして───
私は、永岡 奈緒様に出会ったのだ。