私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「奈緒様、大丈夫でしたか?昨日…」
「ええ平気よ、ありがとう」
これで何回だろうか。
私は自分の立場をよく理解しているので、朝から心配そうに差し入れを持ってきては事の真相を聞きたがる取り巻きたちにも、冷静に対処できた。
…わずかなプライドが訊ねられる度、鈍く疼くのを別にすれば。
私はあの夜、足が痛くなるまで探し回った。
…見付けられなかった。
今思えばどうして不確かな噂を信じて薔薇園など探したのか、不思議だった。
だけど体は生々しく覚えている──私は本気で、あの薔薇園をさがしていた。
見付けることで、私の魂が救われるような、そんな気がした。
…私、とうとうおかしくなったのかな。
薔薇園と私、全く関係の無いものなのに。