私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
しかし、静架は怖がりもしなければ逃げもしない。
「だからさっきから言ってるでしょ、貴女達、永岡さんの何なの?赤の他人にそんなこと言われる筋合い無いわ」
「し…親衛隊よっ!!」
別の一人が言う。
静架はふぅん、と顎に手を掛け、そしてフッと鼻で笑った。
「なっ…!?」
「馬鹿らしいわね。親衛隊ならこれが永岡さんの不評にも関わるってこと、分からないの?」
「な 奈緒様が迷惑なさっているから、私たちがこうやって注意を──」
「注意?多勢に無勢で?笑わせないでよ。
大体ね、貴女達がそんなのだから、永岡さんだって自由に身動き出来ないのよ。貴女達、一度だって舞台から降りた永岡 奈緒を見たことがあるの?」
静架……この状況で取り巻き達に説教を始めるとは…。
心配してたのが、馬鹿みたいだ。
親衛隊の面々は、ぐっ と押し黙っている。