私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「佐藤さん、って言ったよね」
「……っ」
ビクッと体を震わす綾音。
顔が真っ青になっている。
「私、放っておけ、って言ったよね」
「うぁ… は、い」
みっともない位怯えている綾音が可哀想に思えて、私は少し視線を緩めた。
「私のファンでいてくれるなら、応援してくれるだけで十分だから」
優しい響きの裏に、込められた忠告。
──もう私に関わるな。
諭しているような口調だが、はっきりと拒絶を示す。
私は他の取り巻きたちにも言い放った。
「今後、このようなことがあれば、私も黙ってはいないから」
シン、と静まり返る辺り。
「な… 何で、西宮さんなんですか……?」
ぽつり、と取り巻きの一人が言った。
──どうして静架を庇ったんだろう?
彼女が痛い目を見れば、私に付きまとうことも無くなるだろうに。