私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
考えてみれば、私が体を張って静架を助ける必要もなかった。
ただ──体が勝手に動いたのだ。
守らなくては、と。
黙ったままの私を見て、取り巻き達がぼそぼそと謝罪の言葉を言いながら帰っていく。
残されたのは私と、静架。
「ねぇ、助けくれたってことは、私の勝ちよね」
「は……?」
沈黙を破ったのは静架だった。
「何、勝ちって…」
「あなたが私に負けたって意味よ。負けたんだから、ちゃんとしてくれるわよね?案内。」
「はぁ!?いつから勝負事に発展したの?!
と言うか、あなたって本当しつこいよね…」
私は脱力して肩を落とした。
全く、静架ときたら、ありがとうも言わずに案内しろだなんて。
怒りを通り越して呆れた。
「──良いよ、分かった。案内でも何でもするよ……」
露骨に面倒臭そうなため息をつく。