私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~



「申し遅れたね。私は2年の永岡 奈緒。君は?」

「あっ えと、1年の夏目 千雪です。」

あわわ…学園のアイドル役者を前にして、私は可笑しいくらい慌ていた。



「そう、千雪ちゃんか。それじゃあちぃちゃんだね。」

などと奈緒様はおっしゃっている。

そんな…初めて会ったのにニックネーム確定ですか。
まぁ、嫌じゃないけど…。




「あの…、奈緒さ──永岡先輩は、どうして此処に?」


なんだか可笑しな雰囲気になってきたので私は思い切って尋ねてみた。

実はさっきから気になっていたことだ。



「……此処の薔薇園、綺麗でしょう?」

「……はい?」


うっとりと奈緒様が言うので私も辺りを眺めてみた。

奈緒様を発見した衝撃で注意が逸れていたけど、確かに…凄く綺麗だった。


様々な種類の、色とりどりの薔薇達が、我が一番と言わん限りに咲き誇っている。


奈緒様…薔薇園が似合うなぁ-。



< 9 / 238 >

この作品をシェア

pagetop