私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「ありがとう、それじゃあ行きましょう!!──と言いたいのは山々なんだけど。
実は、永岡さんを追っかけ回している間に、校舎の構図は大体分かってるのよね」
「はぁ…?更に意味分からない。じゃあどうしろっていうの」
「だから……私が良いところに連れて行ってあげるわ。──助けてくれたお礼に」
「??」
ますます話が繋がらない。
つまり…案内はしなくていいから付いてこい、ってこと?
「そうと決まったら早く行きましょ!トイレになんて居たく無いわ!」
「あっ!?ちょ…待ってよっ」
この強引さ。
何となく瑠衣さんに通じるものがあるのは気のせいだろうか?
でも──…
ぐいぐいと私の制服の袖を掴んで引っ張る静架に戸惑いながらも、
自然と頬が緩んでしまうのは止められなかった。