私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
その場所は、私たち二人以外、誰も来ない。瑠衣さんでさえ。
二人だけの、秘密基地。
静架はめったに顔を出さないけど、たまにふらっと現れては、とりとめの無い会話をして笑い合う。
私は、その時間が大好きだった。
子供みたいに、その時が過ぎるのを嫌がる。
日に日に、静架にのめり込んでいくながわかった。
奔放で情熱家、それでいてたまに聖母みたいに優しい。
私の不安定な感情を上手くコントロールしてくれて、不思議とそれが嫌じゃないのだ。
私にとっては初めて心を開くことが出来た友達─と言っても過言では無い。
私は、静架のことが大好きだったのだ。
───この頃はまだ、その本当の意味に気が付いていなかった。