私立白百合女学園～少女たちの秘密の園～

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秋になった。

私はこれ以上にないほど、学園生活を満喫している。


私と静架は演劇部のﾍﾞｽﾄ･ｶｯﾌﾟﾙと言われて、数々の舞台で共演している。


今日だって次の定期公演に向けて稽古に励んでいる。






『──泣くな。君に泣かれると決心が鈍る…』

『それであなたが留まって下さるなら、安いものですわ……』


よよよ とﾊﾝｶﾁで顔を覆う静架──が演じる娘。



現在、新舞台『青いﾌﾞﾛｰﾁ』の通し稽古の真っ最中。

ﾎﾒﾛｽの『ｵﾃﾞｭｯｾｲｱ』をﾍﾞｰｽとしたﾗﾌﾞｽﾄｰﾘｰ。(演劇部の舞台の殆んどはﾗﾌﾞｽﾄｰﾘｰである。)



私はもちろん主役の、戦争の為に妻を残して戦地に旅立つ男。

静架はその男を待ち続け、貞操を守る妻。



今ちょうど男が旅立つｼｰﾝをしている。