恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
中学3年生、2月。
1ヶ月後には受験を控えている。
頭のいい春馬と同じ高校を目指すあたし。
塾にも行っていなくて、受験勉強は家で内容の薄い勉強を少ししてるだけ。
このままじゃさすがに大変だって思って、冬休みが終わったくらいから放課後は近所の図書館で勉強することにした。
家は誘惑だらけだけど、図書館は静かだから集中できるはずって。
--だけど、そうじゃなかった。
彼と初めて話したときから、目が離せなくなって。
ますます集中できなくなったんだ。
外に出ると、息苦しい図書館とはちがって冷たい空気が気持ちよく感じた。
「希子、おまえ受かんなくていいの?」
あたしのまえを歩く春馬はかなり怒ってるのか、うしろにいるあたしのことを見ずにそう言った。