恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
お願いだから、そんなに笑わないでよ。
莉子の優しい笑顔が、いまはすごくすごく怖くて。
莉子の顔から視線をそらす。
「莉子、本当のこと言えよ」
「……え?」
「嘘吐くなよ。 せめて、希子には本当のこと言ってやれよ」
春馬の低い声が病室に響く。
なんだかその口調は、すごく怖く感じる。
「春までどうしちゃったの。 私は本当のことしか言ってないよ……?」
莉子の表情を見てみると、明らかに苦笑いを浮かべていた。
もう言わなくていいよ。
莉子が言えないのも、莉子の状態もわかったから。
静かに目から涙をこぼすあたしを見て、莉子は悲しそうな瞳を向けてきた。
「き、希子?」
「あー莉子が元気でホッとした! ね、春馬」
「……は?」