恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
言葉と涙は比例していないけれど。
これが、あたしのいまできる精いっぱいのことだと思うんだ。
だから、涙が止まって欲しい。
だけど、拭っても拭っても、涙は止まらない。
きっと莉子のことだから、あたしと春馬のこんな姿を見たくなくて、嘘を吐いているんだ。
そうに決まってる。
「莉子、大好き」
「ちょっと……希子?」
「大好きだよ」
ベッドのうえで体を起こしている莉子に抱きつくと、莉子は戸惑いながらもぎゅっと抱き返してくれた。
「希子、ありがとう」
そんな莉子の声が聞こえるのも、あとどれくらいなんだろうって嫌なことばかり考えてしまう。
だけど、最後まで莉子と笑い合いたいことには変わりないから。
だからこのことにはふれずに、莉子のまえでは笑い続ける。
それがきっと、1番いい。