恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
そして立ち止まった三吉くんに合わせて、私も立ち止まる。
「三吉くん……?」
口をぎゅっと閉じていた三吉くんは、なにかを決心したかのように、ゆっくりと口を開いた。
「俺、キコのことが……好き」
「……え?」
「まだ会ってから少しなのにって思われるかもだけど。 ……好きです」
スキ。すき。……好き。
真剣なまなざしを向けて『好き』と言った三吉くんの声が、頭をかけめぐる。
そういう、好きだよね……?
そうわかると、顔が火照って口元もにやけそうになる。
すごくすごく嬉しい。
夢じゃないよね……。
「私……」
『好き』って、伝えたいのに。
私はその言葉をすぐに呑み込んだ。