恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



いま、どんな顔をしてる?
いま、なにを思ってる?



すごく怖いけど、ゆっくりと顔をあげる。
すると、眉じりを下げて悲しそうな顔をしながら、笑ってる三吉くんと目があった。



そんな表情を見て、もっともっと胸が痛くなる。 鼓動が、少しずつ速くなる。



だめだ、これじゃ……三吉くんのまえで倒れることになる。
それは、だめ。



「うん、わかった」

「三吉くん……」

「友達でいてくれる?」



その言葉には、うなずけなかった。


もういましかない。
水族館も行きたかったけど、もうきっと無理だ。持ちそうにない。



「……もう、会いたくないの」

「え?」

「ごめんなさい。 じゃあ、ね」

「は? キコ!?」



理由も言わないでさよならなんて、まるで三吉くんの告白が嫌だったからって思われちゃうかもしれない。


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