恋日和 〜キミに届かない恋でも〜

「受かりたいに決まってるじゃん！」

「それならもっと集中しろよ」

「……ごめん」

「おまえのせいで、すげー恥ずかしい思いしたんだけど」



怒ってる春馬に、返す言葉が見つからない。
ただ、どうすれば春馬の機嫌が直るのかなあなんて、頭に浮かぶだけ。



「相変わらずばかだよな、おまえ」



だけど振り返った春馬は、意地悪そうに笑いながらそう言った。



そんな姿に、思わずホッとする。
いつもの春馬だ。よかった。


……って、よくない！
あたしはいったい、春馬に何回『ばか』って言われてるんだろう。


まあ、数えたくもないけど。
だって、数えたら限りがないし。


あたしは春馬にばかにされすぎだ。
そりゃあ、春馬よりはばかだってことはわかってるけどさあ……。