恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
「そんなに、嫌だった?」
ほら、やっぱり。
でもね、そんなことないよ。すごく、すごくすごく嬉しかった。
だけどもう、ふわふわした気持ちはなくて。
ただただ、胸が痛くて苦しいだけ。
「嬉しかった。 でもね、どっちにしろ、今日言おうと思ってたの」
「理由は?」
「ーーばいばい」
聞かないで。
私は、『またね』とは言わずに、ただそう告げて来た道を戻る。
うしろから足音は聞こえてこない。
そう思っちゃうってことは、きっと追いかけてきてくれるって期待してたのかな。
……ううん、もういいんだ。
胸が苦しくて、息をするのも苦しくて。
涙を堪えるたびに、もっと苦しくなって。