恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
ドキドキしながらいまかいまかと待っていると、携帯が振動して希子から着信が来た。
「も、もしもし……」
『莉子! 受かったよ!』
心臓をドクドク鳴らせながら電話を取ると、希子の元気な声が聞こえた。
興奮気味に言うその言葉を聞いて、ホッと胸をなで下ろす。
よ、よかった……。
「おめでとう、希子」
『えへへ、ありがとう……! 学校寄ったらすぐ病院行くねっ』
「うん。 待ってる」
『じゃあまたあとで!』
すぐに切れてしまった電話はどこか寂しく感じた。
電話の向こうでは、芽依ちゃんと実鈴ちゃん、それに春の嬉しそうな声が聞こえたから、きっと受かってるんだろうなあ。
嬉しいはずなのに、ちょっと悔しい。
ううん、ものすごく悔しい……。