恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
ーーコンコン。
冷やしていた目は、いつもどおりに戻って。気持ちも少し落ち着いたころ。
ノックのあとに病室のドアが開いて、希子がひょこっと顔を出した。
「莉子〜!」
ベッドから立ち上がると、希子は嬉しそうに飛びついてきた。
「希子、おめでとう」
「もう、本当よかった……! 芽依も実鈴も春馬も、みんな受かったの!」
「そうなの? よかったね」
羨ましさとか悔しさとかもやっぱりあるけれど、それよりも一番、嬉しい気持ちが大きい。
みんな受かってよかった。
いろいろ言われていた希子も、やっぱり大丈夫だった。
「高校生になれるっ」
涙目でそう言う希子に、思わずクスッと笑ってしまう。
「がんばってたからだね」
「えへへっそうかなあ〜」
照れくさそうにそう言う希子は、本当に嬉しそう。