恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
「本当だ。髪おろしてるから、つい、莉子ちゃんだと思ったわ」
「そんなに似てますか?」
「ええ。 そっくり」
にこっと明るい笑顔を見せる福原さんは、たしか30歳後半くらいなんだっけ。
でも、可愛らしくてもっと若く見える。
……それにしても、莉子はどこに行っちゃったんだろう。
「福原さん、莉子のこと知りませんか?」
「私も莉子ちゃんを探しに来たのよ」
「……どこに行っちゃったんだろう」
莉子のベッドが空っぽのまま、30分は経っている。
トイレに行くにしてもそんなに時間はかからないはずだし、それに病院内にいることはたしかだけどなあ……。
「少し探してくるわね」
「あたしも!探します!」