恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



病室を出てすぐに福原さんと別れて、莉子のことを探す。


どこかで倒れていないといいけど。
不安で不安で、胸がおしつぶされそう。



周りから変な目で見られるほど、病院内を行ったり来たり。
必死になって莉子を探すのに、見つからない。


莉子が無断で抜け出すわけないもん。
だから絶対にどこかにいるはずなのに。



少し疲れて、1階の受付まえにたくさん並べられたソファに腰を下ろす。
すると、入り口から担架を運ぶお医者さんたちが慌てながら入ってきた。



「リコちゃん!!」



そのなかで聞こえた、福原さんの柔らかい声とその言葉。
あたしはそれを聞き逃さなかった。



……莉子?
半信半疑なまま、どこかに運ばれる莉子を追いかける。



「莉子!?」


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