恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



あたしに意地悪とかするのは、たぶんふつうの友だちだから。
だけど春馬が莉子に特別優しいのはきっと……。


--春馬は莉子のことが好き、だから。
ふたりが話しているところを見ながら、いつもそう思ってた。



莉子がどう思ってるのかは知らないけど。
それでも、春馬の恋が実ればいいのにな、とは思う。

だって、あたしの大切な人たちだしね。



「春馬ももっとがんばらなきゃね~」

「なにをだよ」

「あれだよあれ」

「わかるかよ」



たぶん春馬は莉子のことが好きってことを、あたしは知らないとでも思ってる。
だけどあたしだってそこまで鈍感じゃないし。



「つうか、おまえががんばるべきだろ。落ちるぞ」

「もう! 『落ちる』ってそんなにたくさん言わないでよ!」



そう言われると、余計に不安になるんだって。


日が暮れて夜が来て、朝になるたび。
毎日ってどうしてこんなにも早いんだろうって。


……もう、受験まで時間がない。





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