恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
そんな声と一緒に、腰に手を回してあたしを窓から離れさせる人。
床に、ドンッとしりもちをついたから、おしりがじんじんと痛む。
「春馬……」
床におしりをつけたまま、うしろを振り向く。
「なにしてんだよ!?」
険しい顔をして声を荒立てる春馬が、あたしと同じようにして、床にしりもちをついていた。
そんな春馬の目は腫れていて赤かった。
「ここから木の下が見えるかな……って」
「ったく、心配かけんなよ」
「え?」
「そんなことしてたら、危ねえだろ」
怒ってるというよりは泣きそうな春馬を見て、目から溢れる涙を服の袖で拭う。
「ありがとう」
いまできる精いっぱいの笑顔を見せると、春馬はホッとしたような表情に変わった。