恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
もしかしたら、そのまま落ちてたかもしれない。
だってもう、どこかに消えてしまいたい。
「……っ」
頭に浮かぶのは、莉子の笑顔。
止めたはずの涙はまたすぐに零れ落ちる。
うつむいていると、さっきとは違って耳に音が入ってきた。
あたし以外のだれかが泣く音。
それは、芽依と実鈴のすすり泣く音。
声をかけてくれていたはずのふたりは、さっきまでは泣いていなかった。
だけど、病室の入り口に近い端のベッドに座って、ふたりで泣いていた。
「……ごめんね」
あたしのせいだ。
あたしが早く気がついていればよかったんだ……。
そうすればみんな泣かなくてすんだ。
莉子もみんなも苦しまなくてすんだ。
泣いたって許されることじゃないけれど、涙ばかりが出てくる。