恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



「莉子のことを忘れろって言ってるわけじゃない。 あのときこうだったら、あのときああしてればって、いつまでも後悔してたらなんも変わんねーじゃん」

「……え?」

「もしおまえが木の下を見てたとしても、莉子はそこで倒れてないかもしんない。 結局は……こうなっちまうんだよ」

「だけど……!」

「莉子がもういなくなるかもしんねーって、おまえだってずっとわかってただろ!?」



春馬の頬を涙が伝っている。


そうだよ。 あたしずっと、莉子がいなくなってしまうことは、覚悟してた。



だけど、それでも……。
過去はもう変えられないってわかっていても、後悔ばかりだよ。



苦しくて苦しくて、息が吸えない。

莉子はどれほど苦しかった?
莉子はどれくらい辛い思いをしていた?



ーーごめんね、莉子。
なにもできなくて、ごめんね。


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