恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
ーー大好き。
その文字のあとにあった、『またね』。
またどこかで会えるよね。
ううん、きっとまた、同じ時に産まれて一緒に育つのかな。
桜の花は咲かずに散ってしまった。
莉子はまだ15歳なのにどこか遠くに行ってしまった。
……まだまだこれからだった。
もっとたくさん、
悲しいことも
苦しいことも
嬉しいことも
恋することも
味わえたはずなのに。
早すぎだよ……。
だからあたしは莉子のぶんまで精いっぱい、毎日笑って生きてみせる。
雨なんて降らないで、毎日快晴になるように。 笑ってみせる。
あと少しで高校生になる、15歳の3月。
あたしは心でそう決めたはずだった。
『毎日笑う』ーーと。