恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
悲しくても、笑いたいときはたくさん笑うんだ。
そして嬉しいときはたくさん喜ぶ。
我慢することなんて、ない。
だって、そんなあたしの姿を見たら、莉子はきっと悲しい顔をするはずだから。
「わあー満員電車だ……」
作ったばかりの定期を使って改札を通って、ホームに降りると。
そこにはたくさんの人が並んでいた。
「迷子になるなよ」
「なんないよ!」
相変わらず意地悪な春馬。
だけど、いつもどおりなのが嬉しいような気もしちゃう。
電車がホームに着くと、ただでさえ混んでる電車のなかにさらに多くの人が乗り込む。
「うわ……!」
人にぶつかりそうなのを気をつけながら、うまくバランスを取る。
たった2駅の辛抱だよね……!