恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
でもたまに優しくて温かくて。
春馬がいなかったらきっと、いつまでもうじうじして立ち直れなかった。
春馬はあたしや莉子にとって必要不可欠とか、そんな感じの存在なのかもしれない。
昔からずっと、優しかった。
でも、莉子には特別優しかったくせに、あたしには特別意地悪だった。
でもこの〝幼なじみ〟の関係でいれて、すごく嬉しい。
……こんなこと、本人には口が裂けても言えないけど。
「にやにやしてキモい」
「うるさい!!」
つい大声を出してしまうと、周りにいた人たちにクスッと笑われてしまった。
……やらかした。
図書館のときの冷たい感じよりかは、まだ温かいような感じだけれど。
ーーそういえば。
このまえ見た男の子は、彼なのかな。
でも、そうだったらいいのになあ。
今度は見てるだけじゃなくて、ぜったいに話しかけてみたい。