恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
この高校はメイクとかに厳しくしてるわけじゃないみたいだから、グロスくらいは大丈夫らしいから。
あたしも少しくらいメイクしてみようかな……。
「それにしても希子と同じクラスでよかった」
「あたしも! 本当は実鈴もいてほしかったけど……」
芽依はあたしの机の横に立って、残念そうな顔をした。
「だよね。 実鈴、大丈夫かなあ」
「心配だね。 ちょっと見てくる?」
「うん。 そうしよ」
HRが始まるまでは、あと15分もあるから平気だよね。
そう思って教室を出て、芽依と一緒に隣のクラスを覗いてみる。
「あれ? 実鈴がいない」
「いるって。 ほらあそこ!」
芽依が指をさしたほうをよく見てみると、女の子に囲まれたなかに実鈴の姿があった。