恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



まえの席の子も終わって、いよいよあたしの番になってしまった。
ちょっぴり緊張しながらも、ガタッと席から立ち上がる。



「芹沢希子です! よろしくお願いします!」



周りからの視線を感じながらも、自己紹介が終わってすぐに席に着いた。



なんだか終わってホッとしたかも……。


いままでは学年が変わるたびにちょこっと自己紹介とかはしていたけど。
周りの子たちがガラッと変わっちゃうと、こんなにももっと緊張しちゃうんだ。



きゅうに力が抜けちゃって、あたし以降の人の自己紹介を聞くのをうっかり忘れていた。



「三吉朝陽(あさひ)です。 お願いします」



だけどその名前に反応して、声が聞こえたほうに顔を向ける。



……あれ? あの図書館の人だ。
あたしの左の3つ隣で窓側の席の男の子は、あたしがずっと見ていた男の子。


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