恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



廊下では男女別で出席番号の若い順に並んでいた。

あたしはどのあたりだろう……。
まえもうしろも男の子だったから、わからない。


そう思ってると、男の子の列のうしろのほうに並んでいた彼と、ばちっと目があった。



……かと思えば、すぐに逸らされてしまった。



なんだか、思ってた人とちがう。
図書館で見たときはもっと温かい人だと思っていたのにな。


それに莉子の言う三吉くんなら、温かくて優しい人だから。
もしかしたら、ちがうのかもしれない。



「芹沢さん、ここだよっ」

「え、あ、ありがとう!」



にこっと笑った女の子に教えてもらって、その女の子のうしろに並ぶ。



もやっとして、なんだか晴れない。



「あの男の子、かっこいいよね」

「……え?」



まえの女の子、たしか鈴木エリカちゃんはきゅうに振り返ってそう言った。


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