恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
「たしか、三吉くんだっけ。 朝から友達と『かっこいいね』って話してたんだー」
もしかして、あたしがいま三吉くんのこと見てたからそう言ってきたのかな。
「そうだね! かっこいい」
「ね! ……あ、希子ちゃんって呼んでもいいかな?」
「うん、もちろん! じゃああたしもエリカちゃんって呼ぶね」
エリカちゃんは嬉しそうに笑うと、またすぐにまえを向いてしまった。
新しく友達ができて嬉しくなっちゃう。
無事にやっていけそうだなあ……。
ーーなんて、逸らそうとしても。
頭では彼のことしか浮かばない。
ちらっと、少しうしろを向いて彼のことを見てみる。
すると彼は、優しそうな柔らかい笑顔で、友達と話していた。
あたしとさっき目があったときは、あんなに冷たそうだったのに……。
やっぱりもやもやしてる。
自分のなかで、正反対の気持ちがぶつかっている。