恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
図書館といい授業中といい……。
集中できていないいまの自分に呆れる。
「受験に受かんなくていいのか?」
「よくないです……」
「だったらもっと集中しろ!」
“花”なんてつく可愛らしい苗字とは裏腹に、鬼みたいな顔をした花田先生の言葉に、『はい』といまにも消えそうな声で返事をした。
クラスメイトの視線が私と花田先生に注目してるのがわかって、恥ずかしくなって顔が少し赤くなる。
先生が教壇に戻ると、うしろから小さな声で『ばか』と聞こえた気がした。
教えてくれたのはよかったけど。
もっと他にやり方があったんじゃないのかなあ……。
まあ、ぼーっとしていたあたしが悪いんだけど。
なにしてるんだろう、あたし。